はじめに 合宿が始まる瞬間のドキドキ
Ep.02が始まった瞬間から、画面の空気が一気に変わったように感じました。まるでこちらまで背筋が伸びるような、でも心の奥ではワクワクが止まらない。
自然に囲まれた学校に集まった30人の10代は、まだあどけなさを残した笑顔を見せながらも、その目には「絶対にここで掴み取る」という強い光が宿っていました。
そしてSKY-HIの「THE LAST PIECE 3次審査を始めます」という一言。あの声が響いた瞬間、会場全体に緊張と期待が入り混じった独特の空気が流れたのを、画面越しにもはっきり感じました。見ている私まで胸がギュッと締めつけられて、同時に心臓がドクドクと高鳴る。ここから何か大きなドラマが始まるんだと、自然に息をのんでいました。
特に心に残ったのは、冒頭でSKY-HIが語った「人に対しての誠実さが欠けると、自分に返ってくる」という言葉。単なるアドバイスではなく、挑戦者たちの覚悟を引き出すための“鐘の音”のように響いてきました。
この瞬間、ただのオーディション番組ではなく、彼らにとっての人生の青春そのものがここから動き出すんだと強く実感しました。私自身もその場に立ち会っているような気持ちで、胸が熱くなりました。
SKY-HIが伝えた“誠実さ”というラストピース
合宿が始まって最初にSKY-HIが語ったのは、技術や勝敗の話ではありませんでした。彼がまっすぐ伝えたのは「誠実さ」というキーワード。
「人に対しての誠実さが欠けると、やっぱ絶対自分に返ってくる」
そう切り出したSKY-HIは、挑戦者たちにステージの裏側を思い描かせます。
「見渡すと、めちゃくちゃいっぱい大人がカメラ回してくれて、音声拾ってくれて、曲作った人がいて、ステージを作って…」
「その期待を体現するのがステージ上の人だから」
アーティストは自分一人で輝いているように見えるけれど、実際には何百人もの大人や、アルバイトでお金を貯めてチケットを買うお客さんまで、たくさんの人の想いに支えられている。その現実を想像できるかどうか――。
「いろんな人の生活の一つの終着点に自分がいるっていう想像力」
「みんなが回してくれたパスをシュートするのが、みんなの役割だから」
この言葉を聞いた瞬間、空気が一段と引き締まったように感じました。ただ夢を語るのではなく、夢を託された立場としての責任を背負う。その覚悟を求められているようでした。
さらに彼自身も、このプロジェクトに人生をかけていると語ります。
「改めてみんなでいいプロジェクトにできたら」
「自分が掲げているビジョンをもう一回体現したい」
挑戦者たちと同じ目線で、同じ熱を持って臨んでいるからこそ響く言葉。ここで問われる“ラストピース”は、歌やダンスのスキルだけではなく、人としての誠実さなのだと強く実感しました。
ダンスで圧倒する「Move On」チーム
課題曲は、BE:FIRSTの「Move On」。振り付けはs**t kingzのkazuki、さらに歌とダンスの両方で体力を使い切るハードなナンバー。SKY-HI自身も「これはマジで難しい楽曲」と言うほどの壁です。
でも、このチームのメンバーはダンス歴10年以上の実力者ばかり。初日の振り入れからすでに空気が違いました。
「ダンス歴? 12年」
「俺は13年」
「10年」
思わず「ベテラン揃いじゃん!」と突っ込みたくなる経歴のオンパレード。実際に踊り始めると、振りを覚えるスピードも圧巻で、30分もしないうちに揃ってしまう。SKY-HIも驚いて「プロ顔負け」と評したのも納得でした。
ただ、順調に見えたチームにも課題はありました。激しいダンスに加えて歌唱が伴わないと、審査では通用しません。歌経験がほとんどなかったメンバーは、息が切れて声が出なくなる場面も。
「出なかったな裏声…」
「息が上がると声が出ない」
そんな時に前へ出たのが、練習生として長年トレーニングを積んできたTAIKIやYUTA。歌唱が不安な仲間に寄り添いながら、休憩中もアドバイスを惜しまず、互いに助け合っていました。
KANTAが語った告白も印象的でした。
「人前で話すのがすごく苦手で、吃音や場面緘黙があって…」
名前すらうまく言えず悔しい思いをしてきた彼が、それでも「同じ悩みを持つ人に希望を届けたい」と話す姿は胸を打ちました。ステージに立つこと自体が勇気の証明であり、その挑戦こそが彼の“Move On”なのだと思わされました。
最終的に彼らのパフォーマンスは、歌・ダンス・存在感すべてで審査員を唸らせました。
「努力は裏切らないっていうのを証明したパフォーマンスだった」
そうSKY-HIが称えた瞬間、観ているこちらも誇らしい気持ちに。仲間と共に壁を越えた彼らの姿は、この合宿の大きな見どころのひとつでした。
バイブス全開!「Just Like Dat」チームの挑戦
課題曲はPSYCHIC FEVERの「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」。
ノリの良さと勢いが武器の曲だからこそ、バイブスを全員で揃えられるかが勝負の分かれ目でした。
練習初日から、振り覚えの速さに驚かされます。
「めっちゃ早くね?」
「もう1番終わった!?」
そんな声が飛び交うほど順調に見えましたが、メンバーそれぞれの心の中には葛藤もありました。
ダンス歴10年以上のISANAは、周囲から「かっこいい」と一目置かれる存在。しかし本人は、思うように自信が持てずにいました。
「自分ができる最大限がまだまだだった」
「足りないのは、自信…」
そんな彼を支えていたのは、母からの手紙。
「人間は転生できない。だから“今を一生懸命生きなさい”」と書かれた言葉が、彼の背中を押していました。
一方、マレーシアから参加したA.J.はラップに苦戦。韻がうまく踏めず、先生からも修正を求められます。
「ラップのパートがまだ普通に歌ってる感じで…」
それでも「マレーシアのエンタメの第一人者になる」という夢を胸に、必死に食らいついていく姿が印象的でした。
チーム内では助け合いも自然に生まれます。KEIのレッスンを、ISANAが動画で撮影して「後で見返せるように」と渡した場面。
ライバルでありながら仲間として支え合う姿に、この合宿の温かさを感じました。
中間発表では、SKY-HIからも「まるでずっとグループでやってきたみたい」と高評価。けれど、最年少のCOTAは喉の不調や不安から涙を見せる瞬間もありました。
「もし落ちちゃったらどうしようって、悪い方を考えちゃう」
そんなCOTAに寄り添ったのは、リーダーシップを発揮したSHO。
「不安を解消したら楽しめる。楽しむことが俺たちのラストピース」と声をかけ、チームをまとめていきます。
そして迎えた本番。パフォーマンスを見たSKY-HIはこう評しました。
「世界中を踊りたくさせるパフォーマンスだった」
練習では悩みも多かった彼らが、最後には“バイブスの塊”のような輝きを放った姿。観ているこちらまで思わず体が動き出すような、そんな熱量を感じました。
不安と絆が交差した「come again」チーム
課題曲はm-floの名曲「come again」。
クールさや楽しさに加え、観客まで踊らせるような一体感が求められる難しい楽曲でした。ところが、このチームのメンバーは全員が人見知り。最初はなかなか打ち解けられず、距離を縮めるのにも時間がかかっていました。
最年長のRUIは、かつて「THE FIRST」では最年少として参加していた存在。今回は立場が逆転し、チームを引っ張る役割を背負います。
「最年長ってやっぱり引っ張っていくことも大事。性格的にそっちじゃないけど、ちゃんと引っ張れるようにならなきゃ」
そんなRUIの奮闘もあり、少しずつチームはまとまり始めます。しかし中間発表では緊張から歌詞を忘れたり、振りを間違えたり、涙をこぼすメンバーも…。
「悔しい…」
「頭が真っ白になってしまった」
不安と焦りが重くのしかかる中、他チームのTAIKIがREOにラップ指導を買って出る場面もありました。ライバルであるはずなのに、助け合うその姿がとても温かくて印象的でした。
そして本番を前に、KEITOが涙をこぼします。
「落ちるのが怖い。考えちゃいけないけど、どうしても不安になる」
そんな彼を励ましたのも、仲間の存在でした。お互いに声をかけ合い、涙を笑顔に変えてステージへ向かう姿に、思わず胸が熱くなります。
迎えた審査本番。ステージに立った5人は、まるで別人のように輝いていました。
「全員が自分から輝きに行っていた」
「気持ちまでキラキラして見えた」
とSKY-HIも大絶賛。
不安や涙を経験したからこそ、本番での輝きが一層まぶしく見えました。まさに“絆”が生み出した逆転劇。この瞬間こそ、合宿という舞台の醍醐味だと思いました。
心に響いたシーンと言葉たち
Ep.02はとにかく名言のオンパレード。画面越しに「うんうん」とうなずいたり、思わず胸が熱くなる瞬間がいくつもありました。ここでは、特に心に残ったシーンと言葉をいくつか振り返りたいと思います。
まずはSKY-HIのこの一言。
「努力は裏切らないっていうのを証明したパフォーマンスだった」
Move Onチームのステージを見たあとに放ったこの言葉。努力しても報われないことはあるけれど、少なくとも努力しなければ何も始まらない。その真理を、彼らはパフォーマンスで示したんだと感じました。
そして、KANTAの勇気ある告白。
「人前で話すのがすごく苦手で、吃音や場面緘黙があって…」
「同じ悩みを持つ人に、こういう人でも夢を届けられるって伝えたい」
これを聞いたとき、ただのオーディションではなく、人生そのものを懸けているんだと実感しました。弱さをさらけ出したうえで、それを武器に変えようとする姿は本当に眩しかったです。
さらに、Just Like DatチームのCOTAが見せた涙。
「もし落ちちゃったらどうしようって、悪い方を考えちゃって…」
15歳という年齢で背負うプレッシャーは想像以上。でもその不安を口にできたからこそ、仲間が支え合い、パフォーマンスで爆発的なバイブスを生み出せたのだと思います。
最後に心に残ったのは、come againチームを見守ったSKY-HIのまとめの言葉。
「うまくいかなかった思い出も、めちゃくちゃ大きな成長の種になる」
完璧でなくてもいい。失敗さえも未来の糧にできる。挑戦するすべての10代に向けられたようなメッセージで、観ているこちらも勇気をもらいました。
見ていて胸が熱くなった瞬間
このEp.02を通して、何度も胸が熱くなる瞬間がありました。
単なる「オーディション番組」を超えて、まさに青春そのものを切り取っているからだと思います。
例えば、Move Onチームの中間発表前。歌に苦しむEITAに、TAIKIやYUTAが自然に寄り添ってアドバイスしていた場面。
「それ全部休符入れちゃおう」
「一発でバンと投げにいくみたいに」
仲間でありライバルなのに、全力で支えるその姿にジーンときました。誰かが弱さを見せたときこそ、強さを分け合える――そんな関係性が、チームの力を何倍にもしていたように思います。
また、come againチームでREOが緊張から泣き出したときに、他チームのTAIKIがラップ指導に駆けつけたシーン。
「ブレスの位置決めた? ちゃんとはめる」
「焦らず、声がやばいよね」
本来なら競い合う立場なのに、垣根を越えて“人として”助け合う。その光景に「これがBMSGのカルチャーなんだ」と強く感じました。
そして忘れられないのは、ボイストレーナーのなつき先生が涙を流した場面。まだ合宿の途中なのに、Move Onチームのパフォーマンスを見て感動のあまり泣いてしまったんです。
「すごい…ちょっと泣きそう。まだなのに」
挑戦者たちの努力と成長が、人の心を動かす瞬間。見ていた私も、思わず目頭が熱くなりました。
これらのシーンはすべて、「音楽やパフォーマンスは、人の心に届いた瞬間に本物になる」ということを証明していたと思います。
おわりに ― あなたにとっての“最後のピース”は?
Ep.02は、ただの合宿オーディションの記録ではありませんでした。仲間同士が弱さをさらけ出しながらも支え合い、「誠実さ」という見えないラストピースを模索しながら青春を全力で生きる姿が胸を打ちます。
挑戦者たちは、自分の“ラストピース”を探す旅を続けています。スキルだけではない――自信や思いやり、勇気といった欠片を埋めようともがく姿は、夢を追ったことのある誰もに響くはずです。
さんざん見たあとに心から湧き上がる問いは、「私にとっての最後のピースは何だろう?」です。彼らにとってはグループとしての“デビュー”かもしれません。でも、私たち一人ひとりにも、まだはまっていないピースがあるはず。
あなたにとっての“最後のピース”は、何ですか?
次回予告:Ep.03 / Bet my life
次回のエピソード『Ep.03 / Bet my life』では、3次審査合宿の後半戦がいよいよ始まります。切羽詰まった課題と向き合いながら挑戦者たちが見せるさらなる成長と絆の物語に、ぜひご期待ください。

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