詐欺撲滅系YouTuber「新宿109」KENZOさんが2026年8月に公開した動画で、愛知県のマルチ商法業者への突撃取材が話題になっています。動画のタイトルにもなっている「株式会社STONES」ですが、実はこの会社、過去に2度も社名を変更してきた経歴があります。
本記事では、KENZOさんの動画内容を踏まえつつ、消費者庁・中部経済産業局が公表している行政処分の一次資料を使って、STONESの前身にあたる「ARK」「SEED」時代に何が起きていたのかを詳しく解説します。





何度も社名を変更してきた業者
愛知県を拠点に活動するこのネットワークビジネス(マルチ商法)団体は、過去に何度も社名を変更してきたことが分かっています。
現在の社名は「株式会社STONES」。しかしこの会社、実は以前は別の名前で活動していました。
- 2つ前の社名:株式会社ARK
- 1つ前の社名:株式会社SEED
- 現在の社名:株式会社STONES
いずれもサプリメント(化粧品・食品)を扱うネットワークビジネス業者で、扱う商品や勧誘の手口はほぼ変わっていないとみられます。KENZOさんの動画は、この「STONES」の勧誘現場にマッチングアプリ経由で誘われた相談者と共に潜入し、実際のやり取りを記録したものです。
行政処分を受けても勧誘を継続
この団体は、社名を変えるたびに消費者庁・中部経済産業局から行政処分を受けてきた経緯があります。いずれも消費者庁の公表資料で確認できる内容です。
株式会社ARK(本店:東京都文京区、当時の本店は名古屋市東区)
2022年3月2日〜同年6月1日までの3か月間、連鎖販売取引に関する勧誘・申込受付・契約締結を停止する命令が出されました。当時の代表取締役だった葉室一政氏に対しても、同期間の業務禁止命令が出されています。
株式会社SEED(本店:東京都墨田区)
2025年3月4日〜2026年9月3日までの18か月間、同様の取引停止命令が出されました。代表取締役の坂本周三氏にも、同期間の業務禁止命令が出ています。処分の理由として、勧誘目的を告げずに「ボウリングしませんか」などと誘い、人目につかない場所へ呼び出して勧誘していた点などが挙げられています。
詐欺撲滅系YouTuber「新宿109」KENZOさんが公開した動画は2026年8月時点のものであり、SEEDへの行政処分期間(2026年9月3日まで)がまだ満了していないタイミングでした。動画内では、この団体が現在は「株式会社STONES」として活動を続けていると説明されています。STONESの所在地は愛知県名古屋市中区錦2丁目9番6号の名和丸の内ビル3階と案内されており、これはSEED時代に勧誘の舞台となった場所と同一とみられます。
行政処分を受けたら社名を変えて活動を続けるという手法は、過去に別の業者でも見られたパターンです。会員の大半が同じメンバーのまま新しい社名の会社に移行し、実質的に同じ勧誘活動を続けている場合、法的に問題があると指摘されています。
3社の行政処分を比較する
社名ごとの行政処分の内容を一覧にすると、処分がどんどん厳しくなっていることが分かります。
| 社名 | 処分期間 | 期間の長さ | 代表者への業務禁止命令 |
|---|---|---|---|
| 株式会社ARK | 2022年3月2日〜同年6月1日 | 3か月間 | 前代表取締役 葉室一政氏 |
| 株式会社SEED | 2025年3月4日〜2026年9月3日 | 18か月間 | 代表取締役 坂本周三氏 |
| 株式会社STONES | 動画公開時点(2026年8月)で行政処分の公表なし | – | – |
3か月間だったARK時代の処分に対し、SEED時代は18か月間と6倍に伸びています。一般的に、連鎖販売取引の停止命令は長くても6〜9か月程度で出されることが多いとされており、18か月という期間はかなり重い部類に入ります。処分が重くなった背景には、ARK時代に関わっていた人物の多くがSEEDにも引き続き関与していたことが影響したとみられます。
取り扱ってきた商品にも共通点があります。ARK時代は「Sanctuary Skin Series」という化粧品と「Ever Green Life Supplement」という健康食品を扱っており、STONES(旧SEED)は「Gemシリーズ」という美容系サプリメントを扱っています。商品名や会社名は変わっても、化粧品・健康食品を軸にしたビジネスモデル自体は一貫しているのが特徴です。
よくある質問
Q. 社名が変わったら、もう関係のない別の会社なのでは?
A. 法律上は別法人として登記されますが、運営に関わる人物やビジネスモデル、拠点が実質的に引き継がれている場合、行政処分の実効性を骨抜きにする「処分逃れ」とみなされる可能性があります。今回のケースでは、SEEDの拠点だった名和丸の内ビルが、STONESの所在地としても案内されている点が特徴的です。
Q. STONES自体はまだ行政処分を受けていないのでは?
A. 動画が公開された2026年8月の時点では、STONES単独での行政処分は確認されていません。ただし、前身とされるSEEDへの処分期間はまだ満了しておらず、実質的に同じ体制での活動が続いているかどうかは、今後の動向を注視する必要があります。
Q. 過去に社名変更で処分を逃れた業者はほかにもある?
A. 動画内でKENZOさんは、株式会社Presidentという別の業者が同様の手法(行政処分後の社名変更)を用いていたと指摘しています。マルチ商法業界では、こうした「社名変更による処分逃れ」が一定数見られる手法とされています。
どんな勧誘をしているのか
今回の動画では、マッチングアプリを通じた勧誘の実態が記録されています。
相談者の男性は、マッチングアプリで知り合った女性から「お菓子を食べながらゲームする場所がある」と誘われ、伏見駅近くのビルに案内されました。その後、別日に改めて説明を受ける流れとなり、そこで初めて具体的な勧誘が始まったといいます。
待ち合わせ時間は21時30分と遅く、深夜帯の勧誘であったことも特徴です。
まとめ











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