【旭川bb弾殺人事件】事件の全貌・結果
昨年9月、北海道旭川市で30代の夫婦を攻撃し、殺害した罪に問われている58歳の男の裁判が行われています。この男の精神状態などを評価した医師が、「判断能力に著しい損失はなかったが、夫の外見から強い恐怖を感じ、急性ストレス反応が生じた可能性がある」と証言しました。
事件の経緯によれば、被告である川口和人は、無職の58歳で、近隣に住む30代の夫婦（被害者の父親：金澤孝雄と被害者の母親：金澤穂奈美）に折りたたみナイフで攻撃し、被害者の父親：金澤孝雄を殺害し、被害者の母親：金澤穂奈美にも殺害しようとしたとされています。原因は、夫婦の小学生の娘が川口被告の家の前でBB弾を拾い、それに起因するトラブルが発端でした。弁護側は、被害者の父親：金澤孝雄の行動に恐怖を感じ、誤想過剰防衛が成立すると主張しています。
公判では、被害者夫婦の匿名化や検察と弁護側の主張が述べられ、長女や隣人なども証言しています。一方で、被告の精神状態についての鑑定では、通常時には精神障害がないとされ、事件前後の心理状態や計画性についても検証されました。
鑑定医は、川口和人被告のふだんの様子には精神障害が見られないと証言し、事件前後の心理状態についても詳細に述べました。被告は殺意を否認し、被害者の父親：金澤孝雄の風貌に対する強い恐怖感と怒りが混ざった状態で行動した可能性があり、急性ストレス反応が関与していた可能性も示唆されました。
事件の裁判では、殺意の有無や刑事責任能力が争点となっており、川口被告はまだ発言していません。被告人質問が予定されており、12月1日の判決を迎えることとなります。
【旭川bb弾殺人事件】事件の全貌・結果時系列まとめ
殺傷された夫婦の小学生の長女が玩具の銃の弾＝ＢＢ弾を被告宅に投げたことがきっかけで事件が起きた。
今回の事件に登場する人物
・殺人者：川口和人
・被害者の父親：金澤孝雄
・被害者の母親：金澤穂奈美
・被害者の長女：長女の名前は不明（当時11歳）
＜検察の冒頭陳述、長女、妻のＢさん、隣人などの証言＞
小学生の娘の“いたずらが全ての始まり
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・被害者の長女は友人と下校中、被告宅前で玩具の銃の弾＝ＢＢ弾を拾う
直径わずか５～６ミリのプラスチック製
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・被害者の長女は、殺人者：川口和人のカーポート奥の玄関前に投げつける
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・殺人者：川口和人はカーポートに設置した防犯カメラの映像を自室で見て、外に出る
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・殺人者：川口和人「おまえら、何やってるんだ」と２人を怒鳴りつけ、その後、友人のカバンを蹴り、中の水筒を凹ませる
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・殺人者：川口和人は、２人に住所と名前をノートに書かせる
■上記以外の長女の証言
・何度も「ごめんなさい、すみません」と謝った
・算数のノートをちぎられ、名前、電話番号、学校名、担任名まで書かされた
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被害者の長女はママに話すと、謝りに行くことになった
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・生後７か月の次女も連れ、４人で殺人者：川口和人宅へ
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・被害者の父親：金澤孝雄がインターフォンを押すと、殺人者：川口和人はナイフをポケットなどに隠して玄関へ
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・被害者の父親：金澤孝雄「娘がＢＢ弾を投げちゃったみたいで？」
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・殺人者：川口和人「石を投げられて、傷がついた」
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・被害者の父親：金澤孝雄「石って、どの石ですか？傷は、どこについちゃいましたか？」
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・殺人者：川口和人「それは、わからないけど」
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・被害者の父親：金澤孝雄「住所を書かせるほどのことなんですか？」
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・騒ぎに気づいた隣人Ｘさんが２人に「やめましょう」と声かける
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それでも被害者の父親：金澤孝雄は収まらず「やりすぎだろう！」
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・殺人者：川口和人「なに、イキッてんの？やるか」
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・被害者の父親：金澤孝雄「何をやるのよ」
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・殺人者：川口和人が右手に持ったナイフで、被害者の父親：金澤孝雄を切りつける
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・被害者の父親：金澤孝雄は腕を上げて防御し、後退して逃げる
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・隣人Ｘさんが殺人者：川口和人をつかみ、止めようとする
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・殺人者：川口和人は追いかけて、背中などを何度も刺す
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・妻の被害者の母親：金澤穂奈美が殺人者：川口和人に体当たり
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・殺人者：川口和人は、体当たり後に座り込んだ被害者の母親：金澤穂奈美の背中を刺す
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・隣人Ｘさんが殺人者：川口和人を後ろから羽交い絞め
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・殺人者：川口和人は「全員、ぶっ殺してやる」と叫びながら、なおも被害者の母親：金澤穂奈美を刺す
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・殺人者：川口和人は、被害者の母親：金澤穂奈美から離れた後、自宅内へ
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・隣人Ｙさんの通報で逮捕
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ナイフで刺された夫の被害者の父親：金澤孝雄死亡、妻の被害者の母親：金澤穂奈美重傷
＜弁護側の反論＞
■被告の精神状態
・夫婦を殺すつもりなどなかった
・危害を加えられると勘違いし、恐怖で精神障害を引き起こす
・心神耗弱、心神喪失
・善悪の判断ができず、思いとどまれない状態
・被害者の父親：金澤孝雄に「どこが傷ついているんだ」などと捲し立てられ、恐怖が膨らむ
・急性ストレス反応で何が起こっているかわからず、行為の危険性もわからない状態
・誤想過剰防衛が成立し、殺人、殺人未遂罪は成立しない
鑑定医が犯行前後の心理状態などを証言
その後の公判で、川口被告（殺人者：川口和人）の精神状態などの鑑定にあたった医師の証人尋問が行われ、鑑定医は、下記のように証言しました。
＜鑑定医の証言＞
■通常の態度には精神障害は見当たらず
・問診は最短７分から最長85分、計21回の平均時間は49分
・被告に社会性障害、発達障害などは見受けられず
・うつ、そううつ、統合失調症などの既往も確認されず
・言動や認識に明白な障害は見られなかったと判断される
■被告の履歴と事件前の生活
・性格は小学生時代までに怒りっぽく、衝動的であった
・地元の高校で電気科をトップクラスの成績で卒業
・成人後は真面目で勤勉な生活を送り、自動車関連などで複数の企業に勤務
・2012年に実家に戻ったが、就職活動は順調でなかった
・無用な暴力はなかったが、姉妹のトラブルにより2021年に姉が実家を出る
・2022年に母親が入院し、事件当時は父親と２人で生活していた
川口被告（殺人者：川口和人）の自宅
■事件前後の心理状態
・殺意を一貫して否認
・被害者の父親：金澤孝雄の風貌に対する強い恐怖感、脅迫にさらされ、逃げたいという強い思い
・恐怖と怒りが入り混じっていたが、どちらかといえば恐怖が支配的
・最初にナイフで突き刺した後、大半の出来事についての記憶がない
・急性ストレス反応（弁護側も主張）の可能性が指摘される
・通常使わない言葉「イキッてんの？」からも、被告の意識の狭窄が窺える
・注目している対象以外には意識が向かない状態の可能性がある
■事件の計画性など
・計画性はほとんど見られない
・防犯カメラでＡさんを確認して「怖い人が来た」と感じ、思わずナイフを持つ
・善悪の判断能力には急性ストレス反応による障害が一部見られるが、著しく失われたわけではない
・自宅の階段で記憶が戻る
・被害者の父親：金澤孝雄から離れることで恐怖や不安から解放されたような様子
20日に、これまで一言しか発していない被告人への質問
殺意の有無や刑事責任能力などが争点となるこの事件の裁判で、初公判冒頭で起訴内容を問われた際、川口被告（殺人者：川口和人）は「その件に関しては、弁護士に一任しています」と述べた後、一言も発していません。しかし、20日には被告人尋問が予定されています。
法廷に立った隣人は「近所トラブルなど一切なく、いい人だった」と証言しています。被告自身がどのように事件を語り、12月１日の判決を迎えるのか、注目されます。
参照：https://www.hbc.co.jp/news/bcecef4d2c1d316893e587753a86a683.html
【旭川bb弾殺人事件】加害者・被害者夫婦（父親・母親）の名前＆顔写真
【旭川bb弾殺人事件】被害者父親のプロフィール（名前・顔写真）
この親見ると偏見かもだけど「おや？？これはホントに喧嘩売りに行ったんじゃあ？」って感じが。https://t.co/B84OOetdp4
— バルミ (@barubarumi) November 15, 2023
川口和人によってナイフで刺されて亡くなった金澤孝雄さんの事件において、川口被告は防犯カメラで見た際、「昼間の子供の件で、ヤクザかチンピラを雇ったかと思った」と発言しています。これに対して、金澤さんはヤンチャな風貌をしていた可能性があり、他の情報によればスウェットにサンダル姿だったとのことで、一般的なヤンキーの風貌に見える可能性があるとされています。
金澤夫婦の風貌が川口被告によって怖く感じられ、そのためにナイフを持って玄関で応答したとされています。被告が事件発生時に感じた恐怖感や緊張感が、彼の行動に影響を与えた可能性が考えられます。事件の背後にはおそらく誤解や先入観、恐怖心が絡んでいたと言えそうです。
被害者である金澤孝雄さんが最初に川口和人に対して「おまえか！」と怒鳴られたという状況は、被害者の妻の証言と異なります。妻の証言によれば、被害者の妻は怒鳴り声が聞こえたとされ、その内容は特定されていませんが、川口被告に一緒に恫喝していた可能性が示唆されています。
被害者の金澤孝雄さんは見た目がヤンキー風であったとされますが、その評判や人物像は異なります。金澤さんの元同僚によれば、「家族想いで義理堅く、気配りのできるしっかりした人だった」と述べられています。このような人柄の評価があることから、金澤さんが単なる外見だけでなく、内面的にも良識ある人物であった可能性が示唆されています。
事件の当事者たちの行動や発言は複雑で、個々の視点や感情が交錯しています。証言の食い違いや状況の複雑さから、事件の真相を解明することが課題となりそうです。
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