2011年3月11日に発生し、日本に甚大な被害をもたらした【東日本大震災】。
本日2023年8月24日、その影響で現在まで貯蔵されていた福島第一原発の処理水が海洋放出されることに決定し実行されました。
事故の発生から12年余りを経て、懸案となってきた処理水の処分がようやく動き出しますが、放出の完了には30年程度という長期間が見込まれ、安全性の確保と風評被害への対策が課題となります。
そこで今回は【福島原発処理水の海洋放出(排出)に対する海外の反応は?水産物禁輸で日本への影響は今後どうなる?】と題して、
②水産物禁輸を宣言した国は?
③日本への影響は今後どうなる?
についてお伝えしていきたいと思います。
では一緒に見ていきましょう。
処理水放出に対する海外の反応は?
処理水を海洋へ排出することは【国際原子力機関(IAEA)】から許可を得ており、安全は担保されています。
ただやはり不安を隠せないというのも事実としてあるようです。
現在処理水放出に対する反応が明らかにされているのは以下の国々です。
・香港
・韓国
・シンガポール
次にどんな反応をしているのか詳細を見ていきます。
中国の反応
中国は処理水排出に対して、かなり否定的のようです。
IAEAや日本の科学的説明には耳も貸さず、処理水を「核汚染水」などと表現しています。
中国は自国の原発から東シナ海に放出しているトリチウム水があるが、それは福島第一原発から放出を計画している濃度よりも数倍高いといいます。
具体的な意見として
- 海洋は世界の公共財産で日本の『下水道』ではない
- 放射能汚染水の放出は海洋環境の安全と人類の生命、健康に関わる
- 処理水を放出すれば「一切の結果を引き受けなければならない」
などとかなりの拒否姿勢を示しています。
香港の反応
香港も処理水の海洋放出に対し否定的なようです。
香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は22日午後、10都県の水産物の禁輸を、中国本土の人が見るSNS「微博」の公式アカウントでも公表した。
「食品の安全や環境汚染を顧みず、自身の問題を他人に押しつける無責任なもので、強く反対する」
香港も中国と同じくかなり否定的な姿勢をとっています。
韓国の反応
韓国は処理水放出に対しては一定の理解を示しているようです。
韓国政府の反応は
- 汚染水(処理水)放出に計画上の科学的・技術的な問題はない
- 韓国内に流通する日本の水産物の安全性は韓国政府が保証するとし「多様な形態で放射能測定検査を強化している」と強調
一方で
- 放出に賛成または支持しているわけではない。実際の放出が計画と異なるように進めば日本側に中断を要請する
とも言及しています。
シンガポールの反応
シンガポールは処理水排出に対して中立的な様子。
グレイス・フー持続可能性・環境相は8月3日、国会での議員からの質問に対して、ALPS処理水の放出が、シンガポール海域やその周辺の海水の水質に影響を与える可能性は低いと述べています。
また
- 食品庁(SFA)は日本を含めた海外からの輸入食品を対象にそれらの安全性を従来どおり監視しており、それらの監視結果について満足している
- 放射能だけでなく環境汚染など多種多様なリスクについて行っているものだ
- 監視にあたっては国際原子力機関(IAEA)による報告書や海外の食品安全当局の専門家による報告書も入手して行なっている
と言及もしています。
シンガポールでは主要メディアは処理水放出に対する報道は限定的となっていて、日本政府やIAEAが処理水の安全性を主張しているが、一部の海外国は食品汚染に対し懸念を示しているとしています。
ただ、シンガポールの日本食品取扱業者の間で、一部の日本産の水産品を取り扱う輸入卸や、鮮魚を提供する日本食レストラン関係者では、処理水の放出計画が報道で取り上げられたことが影響し、前年同期比で売り上げが減っているのも事実のようです。
水産物禁輸を宣言した国も少しずつ出てきているようです。
水産物禁輸を宣言した国は?
現在判明している日本の水産物禁輸を宣言した海外国は以下の国々です。
・香港
具体的に対応の詳細を見ていきましょう。
中国の対応
中国は原産地が日本の水産物の輸入を24日から全面的に停止すると発表しました。
詳細が分かりましたら追記していきます。
香港の対応
香港は24日から長野を含む10都県からの水産物の輸入を禁止すると発表しました。
ただ阿部長野知事は23日の会見で、香港政府に除外を求めることも検討する考えを示しました。
「長野県は海がない県でありますので、海洋とは基本的には関係がないと思っています。香港政府に対してこうした規制のあり方、科学的根拠がないのではないかということで除外を求めていくことも考えていく必要があると思っています」
海外の対応は今後どうなる?日本への影響は?
水産物禁輸を言及していない国も不安を感じている国は多いです。
この影響は今後アジア圏のみならず世界各国へ派生する課題となってきます。
日本の水産物の輸出額は2022年で約3,873億円となっており、
その相手が
1位:中国
2位:香港
3位:アメリカ
となっています。
前述したように水産物禁輸を行う中国と香港が上位を占めているので、日本の水産業への打撃は免れないと推測されます。
水産業界や政府が一丸となって、海外諸国へ交渉をしなければならない状況がくるのはそう遠くない未来かもしれません。
まとめ
今回は【福島原発処理水の海洋放出(排出)に対する海外の反応は?水産物禁輸で日本への影響は今後どうなる?】と題して、
②水産物禁輸を宣言した国は?
③日本への影響は今後どうなる?
についてお伝えしました。
記事をまとめると
・処理水放出に対して
否定的な国:中国、香港
中立的な国:韓国、シンガポール
・水産物禁輸を宣言した国
中国、香港
・日本への影響
水産物輸出トップ2の中国、香港が禁輸を宣言したことにより、水産業界への大打撃が見込まれる。
今後また動きがありましたら追記していきます
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