「絶対に損はさせません」という言葉がなぜ危険なのか
投資やギャンブルの勧誘で頻繁に登場する「元金保証」「元本保証」という言葉。一見すると安心材料に見えるが、実はこの言葉こそが詐欺を見抜くための最も分かりやすいサインの一つだ。実際に起きたオンラインカジノの「自動運用」詐欺事例をもとに、なぜ元金保証を謳う話には注意が必要なのかを解説する。
POINT
- ギャンブルや投資に「絶対」「保証」という概念は本来存在しない
- 保証を約束できるのは、原資が確保されている場合のみ
- 資金が溶けた時点で保証は破綻する構造上の欠陥がある
- 「勝率9割」など高すぎる実績アピールとセットで使われやすい
- 実例では、保証を約束した本人が資金を作れず連絡不通になっている
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元金保証はなぜ「約束できないはずの約束」なのか
オンラインカジノのバカラを例にすると、いくら「システムで自動運用する」と説明されても、ゲームの結果自体はランダムであり、必ず勝てる保証はどこにもない。にもかかわらず「元金は保証します」「資金がゼロになっても補填します」と説明されるケースが後を絶たない。
実際に起きた事例では、運用担当者を名乗る人物が「10日ごとに利益の40%を手数料として受け取る」条件と引き換えに、元金保証・損失補填を約束していた。しかし、資金が実際にゼロになった際、補填は実行されないまま連絡が途絶えている。
Q. 元金保証はどうやって成立させるつもりだったのか?
A. 対面での追及に対し、本人は「元金保証しますよって言っちゃっていた」「最初に資金を溶かしてしまい、その後の補填用の資金も溶かしてしまった」という趣旨の説明をしている。つまり、保証するための原資がそもそも確保されていなかったということだ。
「勝率9割」とセットで使われる誇大な実績アピール
元金保証と並んでよく使われるのが、現実離れした勝率のアピールだ。ある事例の広告文には「初月で現金回収」「1日50~100勝」「初月9割超え」といった文言が並んでいたという。追及の場でこの点を問われると、担当者は「その時の勝率を書いていた」「実際に勝っていた時は勝っていた」と釈明したが、一時的な好成績を全体の実績であるかのように見せていたことは否定できない。
ギャンブルにおいて、一定期間だけ高い勝率が出ること自体は珍しくない。しかし、それを継続的な実績として広告に使い、さらに元金保証まで謳うのは、リスクを正しく説明していないという点で悪質だ。
保証が破綻したときに何が起きるのか
元金保証を約束した資金が実際に失われた場合、運営側に何が起きるのか。実例では、参加者が最盛期には約500人規模にのぼっていたとされ、全員に元金保証・補填を約束していたことで、対応が追いつかなくなっていったという。担当者本人も「補填が終わっている人もいれば、半分ぐらいの人も、まだ終わっていない人もいる」と述べており、約束が果たされるかどうかは運営側の資金繰り次第という、極めて不安定な状態にあったことが分かる。
「保証」という言葉に出会ったら確認すべきこと
チェックポイント
- 保証の原資はどこにあるのか、具体的な説明があるか
- 保証を行う運営元は、金融庁など公的機関の登録を受けているか
- 「元金保証」と「高い実績」がセットで語られていないか
- 資金を預ける形(アカウントごと渡す等)になっていないか
- 契約書や書面ではなく、口頭・LINEのみの約束になっていないか
投資の世界では「ハイリターンにはハイリスクが伴う」のが原則であり、リスクなしで確実に増える、絶対に損をしないという話は、原則として存在しない。「元金保証」という言葉が出てきた時点で、まずは疑ってかかる姿勢が身を守ることにつながる。
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